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井澤由美子の「心に効く薬膳レシピ」④

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不安をやわらげる「わかめと牛肉のスープ」


4月に入り、さまざまな人が新生活をスタートしています。
新しい環境、新しい人間関係に囲まれて、知らず知らずのうちに緊張し、
不安感が高まっている人も多いのではないでしょうか。

薬膳の世界では、春は五臓のうち「肝」に負担がかかる季節と考え
不安感やストレスが蓄積されると、「肝」にさらにダメージが加わると言われています。
「肝」は「血」を貯蔵する役割を果たしますが
精神的なストレスがかかることでも、「血」が消耗されると考えられています。
また、栄養学においても血液が不足すれば、不安感が強まると言われています。
この悪循環を断ち切るためには、日々の食事が何よりのサポーター。
血流を促すわかめと、「血」と「気」を作る牛肉を組み合わせたスープで、
心と体にエネルギーをたっぷりチャージしましょう。

Photo: Kohei Yamamoto
Styling: Yuko Hama
Text : Noriko Tanaka
Edit : Ayumi Sakai
< 五行相関図 >

Key 食材 わかめ

わかめの旬は春。手軽な乾燥わかめが一年中出回っていますが、この時季は風味豊かな新わかめを食べたいもの。韓国では出産後の女性や誕生日を迎えた人が、滋養のためにわかめスープを飲むとされています。抗酸化作用の強いβカロテン、胃腸を整えてくれる食物繊維、骨の健康をつくるカルシウムやマグネシウムが豊富で、薬膳の世界では血液循環をよくし、水分の代謝を促してくれるとされています。巡りをよくすることで、心の安定につながると言われています。


RECIPE

不安をやわらげる
「わかめと牛肉のスープ」

日本でよくみられるわかめスープは、どちらかというと添え物的な存在ですが、こちらはわかめをたっぷり入れた、主菜を兼ねる「食べるスープ」です。
わかめは「髪にいい」というのは有名ですが、中医学で「髪は血の余り」とされており、髪が美しいのは、血がたっぷり全身にまわっている証拠。老化防止の要である腎の働きを強化し、若々しさも後押しします。新わかめが手に入るこの季節は、ぜひ食べておきたいもの。牛肉は切り落としに加え、コラーゲンたっぷりのすじ肉を入れることでコクも加わり、骨の強化にもつながります。薬膳では「以臓保臓(いぞうほぞう)」という、動物と同じ部位を食べ、臓を補うという考え方があります。筋には筋肉、髪や皮膚、筋骨を強くするほか、「気」を補う力が高いとされ、気力も養います。からだに吸収されやすいヘム鉄を多く含むので、貧血対策には欠かせない食材です。
塩分が多いと食べ疲れてしまうので、「ちょっと少ないかな」と思うくらいの加減がおすすめ。わかめと牛肉のうま味がしっかりあるので、薄味でも満足する味わいです。

材料(作りやすい分量)
新わかめ … 200g
牛切り落とし肉 … 100g
牛すじ肉 … 50g
新玉ねぎ … 1個
しょうが … 1かけ
昆布だし(市販/または鶏ガラスープの素) … 小さじ2
ごま油 … 大さじ1
しょうゆ … 小さじ1〜3

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作り方
  1. 小鍋に牛すじ肉とかぶるくらいの水を入れ、強火にかける。沸騰したらざるに上げ、水でよく洗い、食べやすく切る。再び鍋に戻し、多めの水を加えて中弱火にかけ、20~30分ほどやわらかくなるまでゆで、ざるに上げてよく洗う。
  2. わかめは熱湯で緑色になるまでゆで、水で洗ってざるに上げ、食べやすく切る。玉ねぎは4~5mm幅に切る。しょうがは2/3は皮つきのまま薄切りにし、1/3は細切りにする。
  3. 鍋にごま油、しょうが薄切りを入れて中火で熱し、2のわかめを入れてよく炒める。油がまわったら玉ねぎを加え、さらに炒める。しんなりしたら牛肉を加え、炒める。
  4. 肉の色が変わったら水3カップ、ざるに上げた1、昆布だしを加え、中弱火で10~15分煮る。しょうゆで味を調える。
  5. 器に盛り、細切りのしょうがを飾る。好みで粉唐辛子(分量外)をふる。

POINT

牛すじ肉は下ゆですることで余計な汚れや脂分、
くさみが取れるので必ず下ゆでします。やわらかくなった牛すじを
味見するときは、塩少々をチョンとつけて、食べてみてください。
楽しい食感は、調理をした人へのご褒美。

Have a try !

新生活で心身が落ち着かないときはスープを飲んで。
体が温まりエネルギーが行き渡ると、不安感も緩和されやすくなります。
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