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「心の不調 診察室」 ②

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何気ない食習慣が、メンタル不調の原因に


ストレスを受け止める「副腎」という小さな臓器の疲れが、
さまざまな不調を引き起こしていると語る篠原先生。
「副腎疲労」を引き起こす原因は主に①ストレス②血糖調節③炎症④不規則な生活の4つ。
今回は食生活に関連する「血糖調節」と「炎症」について伺います。
日々の食事の何気ない習慣が、実は副腎を疲れさせ、
メンタル不調の原因になっていることもあるようです。

ご自身も「副腎疲労」による体調不良やメンタル不調を経験した
「東京原宿クリニック」の篠原岳先生に、食生活の大切さについてお話を伺いました。

Photo : Kohei Yamamoto
Text : Noriko Tanaka
Edit : Ayumi Sakai

「朝ごはん抜き」「早食い・ドカ食い」は
副腎疲労を引き起こす大敵!

「血糖値スパイク」という単語が認知され、血糖値の急上昇と急降下は血管を傷つけ、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞を発症するリスクが高まることが広く知られるようになりました。けれどこの血糖値スパイク、血管のみならず副腎・メンタルにも大敵。前回お伝えした通り、血糖調整に負担がかかりすぎると副腎はクタクタに疲れきってしまいます。

< 血糖値の乱高下が、心のアップダウンにも直結 >
血糖値の急上昇と急降下のくり返しが、ストレス対処を行う副腎をヘトヘトに。

「血糖値スパイクは、『食べ方』によって引き起こることが多いんです。例えば朝食抜き。現代は『忙しい』『時間がないから』と、朝ごはん抜きの方がとても多いですよね。そうすると体を起動させるエネルギーが足りないから、無理にアドレナリンを出して頑張ってしまい、結果的に副腎を疲労させるんです」と篠原先生。

その他、甘いものの食べすぎや早食い、ドカ食いなども血糖値乱高下の原因となるそうです。仕事をしながらスイーツを食べたり、食事中にスマホやパソコンを見たりするのが習慣になっている人は、知らず知らずのうちに血糖値スパイクが起きている可能性が高いのだとか。

「リブレ」はセンサーを腕に取り付けるだけで、数日間連続して血糖測定ができる。

「今は血糖測定器(リブレ)が市販されているので、自分でも手軽に血糖値の推移を知ることができます(※ただし、使用と判断は自己責任とのこと)。僕も実験のために使ってみたんですが、空腹時に早食いしてみたり、夜寝る直前におにぎりを食べてみたりと、ひどい食べ方をするとガーンと上がってカーンと下がる様子が明確です(笑)。気になる方は一度測定してみるのもいいかもしれません」

極端な空腹を避けるため、三食きちんと食べること。食べ始めはごはんやパンといった主食類からではなく、たんぱく質や食物繊維のおかずから。炭水化物や砂糖の取りすぎに気を付け、ゆっくりよく噛んで食べること。そういう「穏やかな食べ方」が、副腎を労わる食べ方なのです。

< 副腎を労わる食べ方 >

 

話題となった「糖質オフ」や「16 時間断食」といったダイエットは、「元気&健康で、ついつい食べすぎてしまう」と いったタイプなら効果的かもしれませんが、副腎疲労がたまっている人には致命的なダメージになるので注意が 必要なのだとか。

「けれども、朝食も『ちゃんとしたものを食べなきゃ』と気負う必要はありません。コンビニのおむすびとインスタ ントのお味噌汁だけでも全然大丈夫。真面目な人ほど『コンビニ食は添加物が』とか『オーガニックじゃないと』なんて気にすることが多いんですが、『添加物なし』と『朝ごはんを食べる』は優先順位が逆なんです。食べないより も、添加物入りでも食べたほうが体にはずっといい。『オーガニック不健康』の方、結構多いですよ(笑)」

「炎症」を起こす食生活を避けて
お腹(腸)も副腎も健やかに

そして副腎疲労を引き起こすもうひとつの原因が「炎症」。炎症とは、体を守るために免疫機能が働くことで起きる防御反応のこと。熱を持ったり痛んだり、赤くなったり腫れたりすることです。

「副腎から出るホルモン・コルチゾールは、血糖値をコントロールする以外に『炎症を抑える』という役割もあるんです。つまり体のどこかに炎症があると、その対策としてずーっとコルチゾールが分泌され続けるので、副腎疲労につながるんです。だから炎症を起こしている場所を意識して、それに対処していくのがとても大切なんです」

篠原先生が患者さんと接していて、圧倒的に炎症が起こっていると感じるのが「腸」。便秘をしている方が多く、食べたらすぐにお腹が張る。炎症を起こしているから張るし、張るから炎症を起こす。「病院に行っても治らない」と悩む方がとても多いといいます。

お腹が張る理由は、悪玉菌が腸の中で増殖しているからです。ごはんを食べるとその菌のエサが投入され、ガスを出してお腹がパンパンになるんです。悪玉菌を減らす食生活を心掛けて炎症を減らすことが、副腎疲労の回復にもつながります」

腸の炎症を引き起こす食べ物の筆頭は、小麦。グルテンを含むパンや麺類などが、腸に負担をかけるそう。そして牛乳、ヨーグルト、チーズとった乳製品。日本人の腸は、これらに含まれる「ガゼインたんぱく」を消化する力が弱いことが知られています。朝食に「パンとヨーグルト」という組み合わせを食べている人も多そうですが、お腹が張りやすい体質の人は避けたほうがよさそうです。

そして血糖調整のところで登場した、甘いものとカフェインも、悪玉菌を増やす大きな原因になるそうなので、「疲れやすい」「ウツっぽい」といった副腎疲労の自覚がある人は、控えめを心掛けて。

< 副腎疲労の人が避けた方がいい腸の炎症を引き起こす食べ物 >

「多くの人から『じゃあ、何を食べたらいいの?』という心の叫びが聞こえてきそうですが、何てことはない、日本人 が昔から食べてきた『和食』がいちばんなんです。ごはんと味噌汁、それにお肉か魚の主菜に野菜のおかず。シンプ ルな基本に戻ることが、腸にも副腎にも、やさしい食生活なんです」

迷ったときは、「まごわやさしい」を意識するとよいのだそう。「ま=豆」「ご=ごま」「わ=わかめ」「や=野菜」「さ= 魚」「し=しいたけ」「い=いも」のこと。外食するときも、コンビニでごはんを買うときも、これらの食材を意識して 取り入れるようにすれば、自然と栄養バランスも整い、腸にもやさしい食事に近づいてくるそうです。

私たちが慣れ親しんできた和食は、副腎疲労からの脱出に心強い味方。

3 回目(3 月 15 日配信)は、副腎を疲れさせる原因④「不規則な生活」について解説していただきます。

Have a try !
「副腎にやさしい食」は、私たち日本人が昔から親しんできた「和食」。
まずはごはんとお味噌汁という基本の組み合わせを、ゆっくり噛んで食べてみて。
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