ミニマリストが選んだ「物」とストーリー

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広瀬裕子の「わたしが整う日用品」 file.05
「グレーの魔法」


ミニマルで上質な暮らしが人気を集めるエッセイストの広瀬裕子さん。
驚くほど物を持たない広瀬さんが、手放さずに使い続けている物、新たに手に入れた物とは?
「本当に好きなものを少しだけ、大切に使う」という広瀬さんの審美眼に叶った
日用品の物語を綴ってもらいます。

Text&photo : Yuko Hirose
Edit : Ayumi Sakai

“毎日ふれる気持ちのいいもの”は、わたしを育んでくれる

ひさしぶりにタオルを新調しました。「CONCORDIA」(コンコルディア)。ラテン語で「調和」という名前のついたタオルです。

選んだ色はグレー。手にしたのは、バスマットとサイズちがいのフェイスタオル2種。このタオルにしたのは”バスライン”としてバスマットとタオルが同じシリーズで揃えられるからです。

いまの住まいのパウダールームとバスルームは、いわゆるマンションサイズのコンパクトタイプで、洗面台や鏡、バスタブも厳選されたものとは程遠い、賃貸マンションらしい無難なものです。引っ越してきた当時は、それになかなか慣れず、とりあえず、できることとして、タオルかけやバスルームの備品、バスタブのフタなど、使わなくて済むものはすべて取り去り保管しました。

コンパクトなスペースは、色数や置くものを絞った方がすっきりします。ノイズを少なくするためにも「バスラインが同じ」は、わたしにとって魅力的です。

今回、グレーを選んだのは、気分を変えてみたかったからでしょうか。それまでは白いタオルとバスマットを使用していました。

何ということのないパウダールームですが、グレーという色を置くと、少しいい感じになるのは、色の魔法なのかもしれません。

以前は、年明けにあたらしいタオルを卸してしていました。でも、このメーカー・藤高タオルのものにしてからはその習慣がなくなりました。1年くらいでは、タオルがへこたれないのです。それもあり、吸水力が落ちるまで使いつづけます。

毎日手にふれるもの、肌にふれるものは「気に入ったもの」「気持ちのいいもの」と決めています。それは贅沢ではなく「わたしを育んでくれるもの」として捉えているからです。


< 今日の「ご褒美」 >
養殖鰻の旬は初夏から夏。天然鰻の旬は秋。
「暑さに負けないように」「残暑に備え」。それらしい理由をつけ店へ足を運びます。
(八重洲はし本)

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