loader image

井澤由美子の「心に効く薬膳レシピ」②

theme  :


イライラを抑えてくれる 「春キャベツのナムル」


「心に通ずるものは胃を通る」をモットーに、
毎日の食事で心身の健やかさを保つレシピを提案している井澤さん。
古くからの食養生の知恵が詰まった薬膳料理は、心の不調にも侮れない効果を持つのだと話します。
寒暖差が激しく、自律神経が乱れがちな春は、体も心も揺れ動きがちな季節。
五臓(体の5つの働き)のうち「肝(かん)」に負担がかかりやすい季節と考えます(下記<五行相関図>参照)。

「肝」はデトックスを促し、ストレスを受け止める役割を果たします。
そんな「肝」を労わる、常備菜レシピを教わりました。
時間のあるときにまとめて作り置けば、食べる「心のお守り」にもなりそうです。

Photo: Kohei Yamamoto
Text : Noriko Tanaka
Edit : Ayumi Sakai
< 五行相関図 >

Key 食材 春キャベツ

「カンにさわる」という言葉があるように、「肝」に負担がかかるとイライラしたり、怒りっぽくなったりします。やわらかで瑞々しい春キャベツは、「肝」の働きを高め、解毒をスムーズに促します。また、ビタミン類の宝庫で、薬膳の世界では“野菜の胃腸薬”と呼ばれるほど、消化器系を整える働きが知られています。春先は朝晩も冷え、胃腸を壊しやすい時季。胃腸が弱ると便秘、下痢、食欲不振を招き、気力が萎えがちなので、井澤さんも「春は毎日のように食べて欲しい」と太鼓判を押します。


RECIPE

イライラを抑えてくれる
「春キャベツのナムル」

「肝」を労わり、イライラ予防にいいキャベツは春の救世主的な素材。丸ごと1個分作っておけば、ラーメンや焼きそばなどに加えたり、サンドイッチに挟んだりと、常備菜的に活躍します。中医学の世界では、腸と肌はつながっていると考えるので、整腸レシピであるこのナムルの裏テーマは「美肌レシピ」。キャベツの食物繊維で腸を整えて肌養生し、イライラも改善。豊富なビタミンCはシミソバカスを予防するほか、コーラゲンと合わせると肌生成を担ってくれます。
また、赤い桜えびに含まれるアスタキサンチンは抗酸化作用があり肌のキメを整える効能も。加えてカルシウムなどのミネラルはイライラを抑制。不足しがちな栄養も補ってくれます。そして何より、桜えびは旨みがあるのでササっと簡単に料理がおいしくなるのがいいですね。

材料(2人分)
春キャベツ … 1個(600~700g)
桜えび … 大さじ1
塩 … 小さじ2~3
にんにく(すりおろし)… 少々
ごま油 … 小さじ2~3
白炒りごま … 大さじ1

Previous slide
Next slide
作り方
  1. キャベツはざく切りにし、芯の硬い部分は薄切りにする。ボウルに入れて水に3分さらし、ざるに上げる。
  2. 再びボウルに入れラップをふんわりかけ、600Wの電子レンジで少ししんなりするまで2~3分加熱する。汁気が出たら、軽く切る。
  3. 塩をふって軽く混ぜ、にんにく、ごま油、桜えびを順に加えて混ぜる。器に盛り、ごまを振る。

POINT

芯の部分は硬いけど味は美味しいので、
薄切りにしてさらに細切りにすると食べやすい。
電子レンジにかけるとしんなりして、
葉と同様に食べられます。

Have a try !
忙しい毎日を過ごす人こそ、常備菜の力を借りたいもの。
胃腸の調子を整え肝をケアするナムルは、この時季の心強い味方です。
profile:
share:

RECOMMENDED