自分以外はみんな先生。
嫌な人からも学ぶことがある
毎日機嫌よく生きたいのに、それを阻む原因の一つには、人間関係の悩みがあります。人の悩みのほとんどは、人間関係だと言ってもいいかもしれません。91歳の多良美智子さんは、これまでの人生でどのように乗り越えてきたのでしょうか。
「私は嫌なことを言われても気にせずに、流しちゃうの。若い頃は人間関係で悩んだこともありましたが、年を重ねたらだんだん悩まなくなったわね」。

悩まないコツは、周りにいる人を「私以外の人はみんな先生」と思うこと。いいなと思うことは真似し、嫌だなと思うことは反面教師に。
今でも、心無い言葉をかけられて傷つくこともありますが、「こう言うと相手を傷つけるんだなと思って、私はしないようにします。だから、素敵な人だけでなく、嫌な人も先生です」。
そして、たくさんの人とのやりとりを積み重ねてきて「今の私がある」と言います。「もう誰に何を言われても動じません。長く生きると、人生がラクになりますよ」。

人とは深入りせず
浅く広く付き合う
「人とは深く付き合うのが良いこと」だと思われがちですが、多良さんは反対だと言います。「友達はこの人だけ」と決めると、お互いに辛くなります。それに、年を重ねると、体調のこと、家族のことなど、あまり深く聞かれたくないことが出てきます。自分も聞かれたくないなら、相手も同じです。あえて、深入りはしません。
多良さんは、習い事や趣味の会に参加し、その場で一緒になった人とはおしゃべりを楽しみます。でも、家を行き来するなど個人的なお付き合いはしません。話をする内容も、個人的なことには踏み込まず、趣味に関すること、おいしいものや健康にいいことなどの情報交換が多いそう。
「私は人とおしゃべりするのが大好き。みなさん、色々な話をしてくれるから、一生懸命聴いてね。いいなと思ったことはすぐに取り入れるし、おかしいなと思うことは、口には出さないけれど真似しません」。
人付き合いに疲れていたら、一歩引いて「浅く広く」を心掛けてみても。人に深く関わり過ぎずに、自分の心地よさを一番に考えるのがコツなのかもしれません。

関係が辛くなったときは
距離と時間を置く
夫婦、パートナー、親子、友人…親しい間柄だからこそ、うまくいかないことがあります。多良さんも結婚したばかりのころ、同居していた義理のお母さんと関係がギクシャクしたことがありました。
「義母は、若い私が頼りないと思ったのか、私のやることを全て否定。生まれたばかりの息子を育てていたのですが、それもだんだん辛くなってしまって。思い切って夫に『家族だけで暮らしたい』とお願いをして別居しました」。
別居して毎日顔を合わせなくなったからか、義母とは関係が改善され、お互いに優しい言葉が出るようになりました。多良さんはこのときの経験から、「親しくてもつかず離れずが大事。辛くなったときは、離れたほうがいい」と思うようになったそうです。
だから、ご主人が亡くなったときも、同居を勧めてくれた息子さんの提案を断りました。普段は別に暮らし、何かあったときは助け合うほうが、良好な関係が続くと考えています。

「もし今、人間関係の悩みで辛くなっていたら、しばらく距離と時間を置いてみるといいと思います。お互いの気持ちや状況が変わって、関係が改善されるかもしれません」
「すぐに答えを出さなくていい。むしろ寝かせることも大事」。
91年の間に様々な経験をされ乗り越えてきた多良さんの、実体験に裏付けされた言葉には説得力があります。
< 外出時のバッグの中身 >

トポロジーというブランドのバッグだと教えてもらい、私も真似して購入。
ポケットがいっぱいあって、軽くて実用的なのよ。
お財布は古布で手作りし、紐をつけてバッグに固定しています(右)。よく落とすので、苦肉の策ね。
最近、忘れっぽくなったので、何でも書き留めるためにメモと筆記用具も必ず入れています」。
