ミニマルで上質な暮らしが人気を集めるエッセイストの広瀬裕子さん。
驚くほど物を持たない広瀬さんが、手放さずに使い続けている物、新たに手に入れた物とは?
「本当に好きなものを少しだけ、大切に使う」という広瀬さんの審美眼に叶った
日用品の物語を綴ってもらいます。
機能美は、人の意識や所作まで変える
キッチンにはできるだけ物をださないようにしています。すっとした空間がすきというのもありますが、ねこと暮らしているのがその理由です。
ねこと暮らした経験がある方は「そうそう」となると思いますが、ねこの毛は、細くかるく舞いやすいのです。部屋の中を自由に歩きまわることもあり、調理器具や食器にねこの毛がつくことも度々。
厄介なのは、ねこの毛は、ついても気づきにくいこと。そういったこともあり、キッチンには、物をださないようにしています。
それでも、使い勝手を優先して、置いているものがあります。浄水ポットもそのひとつです。
デンマーク・ステルトン社の浄水ポット。ステルトン社は、アルネ・ヤコブセン・デザインのシリンダラインを製造しているステンレスメーカーです。コーヒーポットやティーポットを目にした方もいると思います。ステルトン社は、継ぎ目のないステンレス加工技術を開発し、シリンダラインは、そのうつくしさから世界の美術館にも収蔵されているテーブルシリーズです。 この浄水ポットは、そのシリンダラインの流れを汲んだデザイン。なめらかなうつくしさに惹かれます。カートリッジは、ブリタ製。デザインもよく、カートリッジも信頼できるメーカーなので、安心して、毎日、使っています。
ミネラルウォーターをボトルで購入したり、水の宅配をお願いしていた時もありますが、いまは基本、水道水を浄水ポットで濾過した水を使っています。
いつだったか浄水機能を確認するため、残留塩素について調べたことがあります。結果、この浄水ポットでいいという結論に至りました。
容量が多くないためパスタを茹でる時などは、水がたまるまで待つ必要がありますが「そのくらい」と思い、使っています。
この浄水ポットを使う前は、うっかり落としてポットを割ってしまったことがあります。適当にフタをし、注ぐ時にフタがはずれて水をこぼしたことも。でも、いまは「落とさないように」「フタを確認して」になりました。
学習したということもありますが、うつくしいものというのは、人の意識や所作動作を変える力があるようです。
銭湯であたたまったあと、ほどよい圧の施術で不要なものを取り除いてもらいます。
最近の銭湯は、手ぶらで行けるのでスキンケアだけバッグに入れて。
施術後は、すっきり、さっぱり。文字通りひと皮むけたような爽快さです。
(黄金湯)



