現代人が抱える悩みや日々わいてくる心のもやもやに、
多くの人とその人生に向き合い、心を癒してきたあの人がアドバイス。
今回の回答者は、元外資系金融エリートで、働く人の心の機微に通じた肉乃小路ニクヨさんです。
仕事で若手メンバーとの価値観の違いに戸惑うことが増えました。報連相がなくても悪びれない、自分で考えて判断せずすぐ答えを求める、納期前でも定時で帰り、残業を極端に避ける……。「どれも間違いではない」と頭ではわかっていても「どうして?」とモヤモヤします。自分の世代とは考え方が違い、話が通じない気がして、「自分が古いだけ?」と悩むことも。こんな時どう接すればいいのでしょうか?
「成果を出していればOK」
とドライに考える
「世代間ギャップを感じて仕事がやりづらい」という話をよく耳にしますが、私は正直、仕事に年齢を持ち込むのは変だなって思います。「世代が違うから仕事のやり方が違うのかな」とか「感覚が合わないのかな」というのは、すごくセンチメンタルな感じがしてしまうんです。
年齢差を感じるのは仕方がないけれど、仕事に関することだから、ここはドライに「業務をどう遂行するか」にフォーカスするといいんじゃないかしら。仕事のルールや業務内容を明確にして、それに沿っていればOKとする。そして成果物で評価する――。この方が合理的かなって思います。
ルールや業務内容が曖昧なら
会社に伝えて明確化を
残業についても、従来のやり方や個人の価値観にこだわらず、会社のルールを優先しましょう。今の時代は定時退社が基本ですから、メンバーの能力をきちんと把握して、時間内に終えられるように仕事の割り振りを考えます。
もしルールや業務内容があいまいなら、それ明確にするのは会社の役割ですから、要望を伝えて働きやすい環境を整えましょう。
ちなみに私が日本企業で働いていた頃は、「これって私の仕事?」と感じることがよくありました。残業も多かったです。でも外資系企業に転職したら、業務内容が細かく決まっていて曖昧な仕事がなくなり、格段に働きやすくなりました。
相手を責めず、
認めて寄り添うフォローを
それでも時間内に仕事が終わらないなど問題がある場合は、その若手メンバーにヒアリングしましょう。そして、理由が正当なら業務量や内容を調整する、という感覚でつき合います。その方が仕事と感情を切り離せてラクだし、年齢差も気にならなくなると思います。
ヒアリング時に注意したいのは言葉選びです。「もう少し頑張ろう」とか「もっと早くできない?」といった言い回しは、今はパワハラと受け取られかねないので、「いつもの力が発揮できてないみたいだけど何かあったかな? 一緒に考えてみよっか」など、前向きにフォローすることをお忘れなく。
対処に迷った時は上司に相談しましょう。「こう考えていて、こう対処しようと思いますが、どう思われますか?」と。そのために上司はいるわけだから、自分一人で悩まないでくださいね。



