書店に来られるお客様から、
「元気がないときに、おすすめの本はないですか?」と訊かれることが、
よくあります。そんな方には、「元気が出る本」ではなく、
「元気がなくても楽しめる本」をご紹介しています。
自分の気持ちに寄り添ってくれて、硬くなった心をほぐしてくれる文章が、
見つかるかもしれません。
頑張りすぎている人に贈りたい
〝今日を楽しむ″ための、365日ぶんのレシピ
お店のレジに歩いてこられるお客さまが、この本を手にされているのを見ると、ほんのり幸せな気分になります。その方の「毎日を、少しでもよくしよう」という思いが伝わってくる気がするからです。
〝今日を楽しむ″ための、365個のアイデアが詰まった本です。
真似してみたいレシピだったり、知らない花の名前だったり、心にたまったコリをほぐすための言葉だったり。「フルーツの発酵調味料をつくる」「楽しみな予約をする」「昼風呂に入る」……なかには、「青春漫画を読む」なんていう提案もあります。
私が好きなのは10月23日のページの、「気に入った本は、自分の分ともう一冊」。急いで気の利いたギフトを探したくてもなかなか見つからないとき、お気に入りの本を一冊多めに買っておけば、プレゼントにすることができる。いいアイデアだなぁ、真似しようと思いました。
人生の大きな目的は、「ピクニックのように楽しい時間を過ごすこと」と著者は言います。「私たちが日々責任を持って向き合っていることの多くは、その大目的を叶えるための〝手段″です。にもかかわらず、時折大目的を忘れて、『そんなことをしている場合じゃない』と楽しむことを軽蔑して、わき目もふらずに走っていきます。」
頑張りすぎている人には、ときどき「ピクニック」という単語を思い出してほしい。本のタイトルにはそんな気持ちが込められています。
せっかくの休日なのに何をしたらいいかわからない。誰にも会わずに過ごしたい。そんなときはこの本の、今日の日付のページをめくって、そこに書いてある内容を味わってみてはどうでしょう。あるいは目をつぶって本をパッと開いて、そこにある項目を実行してみるのもおすすめです。たまたま開いたページに、そのときの自分に必要なことが書いてある、そういうことってあると思うのです。
今日私が偶然開いたページには、こう書いてありました。「自然界の動物で、『役に立とう』と思っている生き物は1匹もいません。」
『Life is a Picnic.』
NEXTWEEKEND 村上萌/ディスカバートゥエンティワン
2022年、横浜市に「この街の人が家族になれる、大きな庭」というコンセプトのもと、
1000坪の庭の「COMMON FIELD」をプロデュースし、敷地内にて”Life is a Picnic!”をテーマにした
「GARTEN COFFEE」を運営する、村上萌の著書。“人生も、ピクニックみたいに
自由に作って楽しめばいい”という思いが込められている。
毎日を豊かにするための具体的なハウツーから、「誰かのために覚えておきたい言葉」
「自分の心を解く思考術」など生き方のヒントまでを、365のアイデアに変えて詰め込んだ一冊。