揺らいだ日も、頑張った日も。
和×スパイスで楽しむ「季節の薬膳レシピ」 ①
2026.08.22
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冬瓜と豚肉の
スパイスたっぷり出汁カレー

冬瓜と豚肉のスパイスたっぷり出汁カレー

季節や気候の変化で生じる心身の不調を、“旬のもの”と“生薬”の力で和らげる。
春は解毒、夏は清熱、秋は湿潤、冬は温陽。
食材の持つ効能を活かして体の中から整えていく、それが薬膳=食養生の考え方です。
どうにも疲れが抜けなかったり、いまいち気分が上がらなかったり。
そんなライトな体調不良は、食養生を意識することで改善するかもしれません。
教えてくれたのは、国際中医薬膳師&ソムリエ資格を持つ料理家・松島由恵さん。
体と心にホッと染み込む和食ベースのメニューに、生薬=スパイスを効かせたデイリー薬膳。
美味しく手軽でお酒にも合う、季節のお助けレシピです。

Photo : Eriko Matsumoto
Cooking : Yoshie Matsushima
Text & Edit : Kei Yoshida

熱と湿気の邪気対策
「暑邪」に負けない身体に整える

気温上昇と猛烈な湿気で、年々過酷になる日本の夏。長い休みが楽しめるバカンスシーズンでありながら、夏バテ、火照り、むくみに冷えなどさまざまな不調に悩まされる季節でもあるのが実情。
「高温多湿な日本の夏は体内に余分な湿気が溜まりやすく、これが「脾(ひ:胃腸など消化吸収機能)」を弱らせる大きな原因に。冷たすぎるものや脂っこいものは控えつつ、余分な水分を排出する働きを持つ夏野菜をたっぷり摂りたいですね」(松島さん)
夏の暑さは体力だけじゃなく気力も低下させるもの。「スパイスには胃腸を温め、不足したエネルギー(気)を補う「補気」、滞った気の巡りをスムーズに整える「理気」という作用があります。摂ることはもちろん香りにも効果があるので、お料理しながら香りもたっぷり味わってください」

< 五行相関図 >


薬膳のベースとなっているのが、古代中国の自然哲学から生まれた「五行」という思想。万物は「木・火・土・金・水」という五つの元素からなり、それぞれが互いに影響を与え合いながら循環することで世界のバランスが保たれているという考え方です。季節は「春・夏・土用(長夏)・秋・冬」に、味覚は「酸・苦・甘・辛・鹹(かん・塩辛い)」に、そして心身の働きや機能を「肝・心・脾・肺・腎」に、それぞれ振り分けられています。

< 気血水のバランス >


東洋医学では、人の体は「気」「血」「水」という3つの要素で構成されていると考えます。これら3つが体内にバランスよく存在し、かつスムーズに巡っている状態が“健康”です。

Key 食材冬瓜
スパイスターメリック、コリアンダー、クミン、シナモン

Key食材 ] 冬瓜は、体にこもった熱を冷まして余分な水分を排出するのに最適な食材。むくみや喉の渇き、火照りの解消にも力を発揮します。
スパイス ] 気の巡りを整えて消化促進させるクミン、気を行き渡らせて血行を促すターメリック、毒素排出作用に優れたコリアンダー、末端から血行促進して芯から温めるシナモン。一度に複数のスパイスが摂れるのがカレーのいいところ!


材料:作りやすい分量(4~5皿分)
冬瓜 … 300g
豚肉 … 200g
玉ねぎ … 1個
米油 … 大さじ1
米粉 … 大さじ1
出汁 … 400ml
塩 … 小さじ1
醤油 … 小さじ1
A
クミンシード … 小さじ1
コリアンダーシード … 小さじ1
B
ターメリック … 大さじ1
コリアンダーパウダー … 大さじ1
クミンパウダー … 大さじ1
シナモンパウダー … 小さじ1
ニンニク … 1片(すりおろす)
生姜 … 1片(すりおろす)




作り方
  1. 冬瓜は種とわたを取り、皮をむいて5~6cm角に切る。豚肉と玉ねぎはそれぞれ食べやすい大きさに切る。
  2. 鍋に米油とAを入れ弱火にかける。ふつふつと小さい泡が立ちスパイスの香りが立ってきたら玉ねぎを入れ、火が通るまで炒める。
  3. 豚肉と冬瓜を加え、豚肉がバラけてきたら弱火のままBを入れてしっかりかき混ぜる。まんべんなく混ざったら米粉を振り入れる。
  4. 粉類がなじんだら出汁を注ぎ入れ、中火で5分程度煮る。グツグツと沸いてきたら塩と醤油を加えて弱火に落とし、20分程度煮込む。冬瓜がやわらかくなったらできあがり。

POINT

スパイスの香り成分には油に溶け出す性質があるので、
最初に弱火でじっくり熱して、
油に香りや辛味を移すことが味の決め手となる。
カレーは特に風味が命、この工程は大切に。


< 今回合わせたのは…… >

「小豆ご飯」
米2合に小豆大さじ1/2合を加えて洗い、2.5合分の水で一晩浸水させる。
炊くときに塩を小さじ1/2加え炊飯する。
浸水時に塩を入れてしまうと浸透圧で十分に吸水しないことがあるのでご注意を。

profile:

松島 由恵

料理家。 JSA認定ソムリエ、国際中医薬膳師。
建築業界で長年勤務した後、フランス料理店に勤務し、料理の世界へ。
スパイスを取り入れた“お酒に合う薬膳”に定評あり。
現在は広告、雑誌などへのレシピ制作をメインに活動。
著書に『エキゾチック薬膳(おいしくて楽しい。ごきげんな食養生』(家の光協会)、
『きのこのレシピ帖』(PARCO出版)、
『「いつものお弁当」がスパイスで大変身! スパイス弁当』(パルコ出版)。

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