いよいよ新しい1年が始まりました。
変化の多い時代に、軽やかにスタートを切りたいのに
年末からの暴飲暴食がたたり
体重の増加とともに、何となく心も重い。
動くのがおっくうになって
新年なのにダラダラしてしまい、何だか自己嫌悪……
そんな人も多いのではないでしょうか。
体も心も、新鮮な気持ちでリセットしたい。
そんな風に考えている人には、お粥がおすすめです。
薬膳において、お粥は基本中の基本。
胃腸の調子を整えることで、体力や気力をアップし、
心模様もすっきりと整えてくれるはずです。
体を温めてくれる葛でとろみをつけた
黄金色のべっこう餡をトッピングして、
風邪を引きがちなこの季節に、ぴったりな一品に仕上げました。
Styling : Yuko Hama
Text : Noriko Tanaka
Edit : Ayumi Sakai
Key 食材 白米
日々の食事の基本となるお米は、エネルギーの素である「気」を補い、胃腸を元気にする働きがあると言われています。また禅の世界では「粥有十利(しゅうゆうじり)」という言葉があり、顔色をよくする、体力や気力をアップする、頭の働きをよくして言葉が清くさわやかになるなど、お粥には10の功徳があるとしています。
RECIPE
気持ちを軽くする
「べっこう餡のお粥」
1月7日には七草粥を食べる習慣がありますが、その前からも「心身をすっきりと整えたい」と感じたら、お粥を炊くのがおすすめです。お粥は病気のときの食事と思われがちですが、胃がもたれず元気が出るものなので、普段の朝食にもおすすめです。
「葛根湯」でもおなじみな葛粉は古くから生薬として使われてきおり、冷えた体を温め、血行を促進してくれる働きがあります。とろみづけと言えば片栗粉が一般的ですが、ぜひ葛を。余ったものは葛湯にして飲むのもおすすめです。
むくみを取ってくれて、解毒作用のあるせりや、気血を補ってくれるうずらの卵などをトッピングして、栄養もしっかりチャージします。
材料(作りやすい分量)
白米 … 1/2カップ
松の実 … 大さじ1~2
米油 … 少々
塩 … ふたつまみ
<べっこう餡>
葛粉…大さじ1と1/2
A
出汁 … 150ml
しょうゆ … 大さじ1/2
みりん … 大さじ1/2~1
酒 … 大さじ1/2
<トッピング>
せり … 適量
しょうが(すりおろし)… 小さじ2
うずらの卵(水煮)… 2個
- 米は水で洗い、ざるに上げる。
- 鍋に水4カップを入れて沸騰させ、1、松の実、米油を入れてひと混ぜし、中弱火で20分ほど炊く。塩を加え、混ぜる。
- 粥を炊いている間にべっこう餡を作る。小鍋にAを入れて中火にかけ、沸騰したら水大さじ2で溶いた葛粉を混ぜながら加える。加熱しながら混ぜ続け、ほどよく煮詰まり、透明感が出てきたら火を止める。
- 器に2を盛り、3をかける。ざく切りにしたせり、しょうが、うずらの卵をのせる。
POINT
お米は沸騰させてから加えて、
お米のパワーを閉じ込めます。
お粥が炊けてから塩を加えるとねばりが抑えられ、
さらりと軽やかな食感に炊き上ります。