揺らぐ心をフラットに
「お悩み相談室」 #02

theme  :


「仕事の進め方やテンポが違う同僚が苦手。上手につき合うには?」
答える人:公認心理師・大野萌子さん


現代人が抱える悩みや日々わいてくる心のもやもやに、
多くの人とその人生に向き合い、心を癒してきたあの人がアドバイス。
今回の回答者は、コミュニケーションの専門家・大野萌子さんです。

Text : Yoko Jinza
Edit : Ayumi Sakai
今回の悩み

仕事の進め方が全然違う人や、テンポが合わない人と一緒に働くのがストレス。「こうしたほうがいいのに」とか「ノリが違う人って疲れる」と思ってしまいます。どうしたら苦手意識を持たずに接することができますか。誰とでもうまくやれる人がうらやましいです。

してほしいことを
客観的な言葉で伝える

相手に対する苦手意識を〝気の持ちよう″で対処しようとしても、なかなかうまくいかないものです。まずは〝行動″を変えて、具体的な対策を取ることが重要。行動が変われば状況が変わり、自然とストレスが軽くなることもあります。

そのために、自分が相手のどこにもやっとするのかを明確にし、それを改善できるような〝伝え方″を意識しましょう。「察してほしい」という気持ちは相手には伝わりにくいので、言葉で伝えることが大切です。

ポイントは、「〇〇してくれないと困る」などの主観や感情ではなく、客観的な事実や用件を伝えること。

例えば、仕事のペースがゆっくりで書類の準備もギリギリなことが不満がならば、「金曜日の正午までに報告書をお願いできますか?」など、具体的な期限を示します。日付のみだと、相手に「その日中に提出すればいい」と受け取られたりもしますが、時間まで伝えれば、退社時間ギリギリに渡されて自分は残業……という事態をさけられます。

やんわりとした伝え方は
かえって逆効果

プレッシャーを与えないようにと言葉を選んで、「できればお願いしたい」「なるべく早めにもらえるとうれしい」など、ふわっと遠回しに伝えるのは禁物。相手の判断にまかせる感じになって、こちらの意図が率直に届きません。そして「せっかく言ったのにわかってもらえない」と、再びもやもやすることになったら残念ですから。

伝え方をソフトにしたいなら、「無理だったら相談してください」「いつまでにできるか、教えてくれると助かります」などフォローの言葉を添えることで、コミュニケーションがスムーズになります。

私は私。あなたはあなた。
一定の距離感を保つ

このような対策を重ねてもイライラが消えない場合は、自分のやり方やペースに合わせてほしいという気持ちが潜んでいるかもしれません。特に責任感や「こうしたい」という気持ちが先走ると、無意識にそうなることもありますね。

自分のペースは大事だけれど、他者を思いどおりには動かすことはできないものです。イライラしたら相手をコントロールしようとしているサイン。肩の力を抜いて、「そこはエネルギーを注ぐところではない」と冷静になりましょう。

誰とでもうまくやれる人は、〝私は私。あなたはあなた″と、一定の距離感を保っている人です。それは、「私と相手は違う」と、いい意味でのあきらめがついているとも言えます。深入りしないぶん、相手の短所も気にならず、イライラをためこまずにすみます。

相手は自分と違うペースで動く存在であることを心に留めつつ、具体的な仕事の手順やスケジュールを共有して、コントロールしたい気持ちを手放していきましょう。

profile:
share:

OUR PRODUCTS​

ストレスを抱えるあなたに寄り添う、
メンタルウェルネスブランド。

OUR PRODUCTS​

ストレスを抱えるあなたに寄り添う、
メンタルウェルネスブランド。

© 2023 AWAI Inc. All rights reserved.

© 2023 AWAI Inc. All rights reserved.