揺らいだ日も、頑張った日も。
和×スパイスで楽しむ「季節の薬膳レシピ」 ④
2026.09.15
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山椒香る
紫蘇と茗荷の甘味噌

山椒香る紫蘇と茗荷の甘味噌

季節や気候の変化で生じる心身の不調を、“旬のもの”と“生薬”の力で和らげる。
春は解毒、夏は清熱、秋は湿潤、冬は温陽。
食材の持つ効能を活かして体の中から整えていく、それが薬膳=食養生の考え方です。
どうにも疲れが抜けなかったり、いまいち気分が上がらなかったり。
そんなライトな体調不良は、食養生を意識することで改善するかもしれません。
教えてくれたのは、国際中医薬膳師&ソムリエ資格を持つ料理家・松島由恵さん。
体と心にホッと染み込む和食ベースのメニューに、生薬=スパイスを効かせたデイリー薬膳。
美味しく手軽でお酒にも合う、季節のお助けレシピです。

Photo : Eriko Matsumoto
Cooking : Yoshie Matsushima
Text & Edit : Kei Yoshida

熱と湿気の邪気対策
「暑邪」に負けない身体に整える

気温上昇と猛烈な湿気で、年々過酷になる日本の夏。長い休みが楽しめるバカンスシーズンでありながら、夏バテ、火照り、むくみに冷えなどさまざまな不調に悩まされる季節でもあるのが実情。
「高温多湿な日本の夏は体内に余分な湿気が溜まりやすく、これが「脾(ひ:胃腸など消化吸収機能)」を弱らせる大きな原因に。冷たすぎるものや脂っこいものは控えつつ、余分な水分を排出する働きを持つ夏野菜をたっぷり摂りたいですね」(松島さん)
夏の暑さは体力だけじゃなく気力も低下させるもの。「スパイスには胃腸を温め、不足したエネルギー(気)を補う「補気」、滞った気の巡りをスムーズに整える「理気」という作用があります。摂ることはもちろん香りにも効果があるので、お料理しながら香りもたっぷり味わってください」

< 五行相関図 >


薬膳のベースとなっているのが、古代中国の自然哲学から生まれた「五行」という思想。万物は「木・火・土・金・水」という五つの元素からなり、それぞれが互いに影響を与え合いながら循環することで世界のバランスが保たれているという考え方です。季節は「春・夏・土用(長夏)・秋・冬」に、味覚は「酸・苦・甘・辛・鹹(かん・塩辛い)」に、そして心身の働きや機能を「肝・心・脾・肺・腎」に、それぞれ振り分けられています。

< 気血水のバランス >


東洋医学では、人の体は「気」「血」「水」という3つの要素で構成されていると考えます。これら3つが体内にバランスよく存在し、かつスムーズに巡っている状態が“健康”です。

Key 食材青じそ(大葉)
スパイス山椒

Key食材 ] 青じそには、気の巡りを良くして胃腸の働きを整える働きが。爽やかな香りには、ストレスを和らげる効果もあります。また体を温めて発汗を促す「辛温解表(しんおんげひょう)」の作用があるため、風邪の引き始めなどにもおすすめの食材です。
スパイス ] 胃腸を温めて余分な湿気を排出する山椒。冷えによる腹痛やゲップ、吐き気、消化不良の解消に効果的です。


材料:作りやすい分量
(出来上がり1カップ強)

青じそ(大葉) … 20枚
茗荷 … 2本(みじん切り)
生姜 … 1片(みじん切り)
米油 … 大さじ1
粒山椒または粉山椒 … 小さじ1
A
砂糖(きび砂糖を使用) … 大さじ2
味噌(合わせ味噌を使用) … 100g
みりん … 大さじ2





作り方
  1. 大葉は、口当たりがよくなるように千切りにしたあと、さっと水にさらしてからザルに上げておく。縦半分にカットしてから、クルクルと丸めて切るときれいに切れる。
  2. Aをボウルに入れ、味にムラが出ないよう、しっかりと混ぜ合わせる。
  3. 鍋に米油を引き、生姜を入れて弱火にかける。香りが立ってきたら、1と2、茗荷を加え、焦げないようにヘラで混ぜながら5~6分炒める。仕上げに粒山椒をミルで挽いて、混ぜ合わせる。
  4. 粗熱が取れたら保存容器に移す。冷蔵庫で10日程度保存可能。

POINT

生姜を長持ちさせるには、
かぶるくらいの水に浸けて
冷蔵庫で保存を。
時折り水を変えると傷みにくい。


< 今回合わせたのは…… >

おにぎりや厚揚げにのせるだけで滋養たっぷりのご馳走に。
「保存を考えて砂糖はやや多めのレシピになっています。
お好みで加減してください」(松島さん)

profile:

松島 由恵

料理家。 JSA認定ソムリエ、国際中医薬膳師。
建築業界で長年勤務した後、フランス料理店に勤務し、料理の世界へ。
スパイスを取り入れた“お酒に合う薬膳”に定評あり。
現在は広告、雑誌などへのレシピ制作をメインに活動。
著書に『エキゾチック薬膳(おいしくて楽しい。ごきげんな食養生』(家の光協会)、
『きのこのレシピ帖』(PARCO出版)、
『「いつものお弁当」がスパイスで大変身! スパイス弁当』(パルコ出版)。

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