揺らいだ日も、頑張った日も。
和×スパイスで楽しむ「季節の薬膳レシピ」 ⑤
2026.09.22
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砂肝とズッキーニの
ナツメグ南蛮漬け

砂肝とズッキーニのナツメグ南蛮漬け

季節や気候の変化で生じる心身の不調を、“旬のもの”と“生薬”の力で和らげる。
春は解毒、夏は清熱、秋は湿潤、冬は温陽。
食材の持つ効能を活かして体の中から整えていく、それが薬膳=食養生の考え方です。
どうにも疲れが抜けなかったり、いまいち気分が上がらなかったり。
そんなライトな体調不良は、食養生を意識することで改善するかもしれません。
教えてくれたのは、国際中医薬膳師&ソムリエ資格を持つ料理家・松島由恵さん。
体と心にホッと染み込む和食ベースのメニューに、生薬=スパイスを効かせたデイリー薬膳。
美味しく手軽でお酒にも合う、季節のお助けレシピです。

Photo : Eriko Matsumoto
Cooking : Yoshie Matsushima
Text & Edit : Kei Yoshida

熱と湿気の邪気対策
「暑邪」に負けない身体に整える

気温上昇と猛烈な湿気で、年々過酷になる日本の夏。長い休みが楽しめるバカンスシーズンでありながら、夏バテ、火照り、むくみに冷えなどさまざまな不調に悩まされる季節でもあるのが実情。
「高温多湿な日本の夏は体内に余分な湿気が溜まりやすく、これが「脾(ひ:胃腸など消化吸収機能)」を弱らせる大きな原因に。冷たすぎるものや脂っこいものは控えつつ、余分な水分を排出する働きを持つ夏野菜をたっぷり摂りたいですね」(松島さん)
夏の暑さは体力だけじゃなく気力も低下させるもの。「スパイスには胃腸を温め、不足したエネルギー(気)を補う「補気」、滞った気の巡りをスムーズに整える「理気」という作用があります。摂ることはもちろん香りにも効果があるので、お料理しながら香りもたっぷり味わってください」

< 五行相関図 >


薬膳のベースとなっているのが、古代中国の自然哲学から生まれた「五行」という思想。万物は「木・火・土・金・水」という五つの元素からなり、それぞれが互いに影響を与え合いながら循環することで世界のバランスが保たれているという考え方です。季節は「春・夏・土用(長夏)・秋・冬」に、味覚は「酸・苦・甘・辛・鹹(かん・塩辛い)」に、そして心身の働きや機能を「肝・心・脾・肺・腎」に、それぞれ振り分けられています。

< 気血水のバランス >


東洋医学では、人の体は「気」「血」「水」という3つの要素で構成されていると考えます。これら3つが体内にバランスよく存在し、かつスムーズに巡っている状態が“健康”です。

Key 食材ズッキーニ
スパイスナツメグ

[ Key食材 ]ズッキーニには体内にこもった過剰な熱を冷まして取り除く「清熱」や、体の潤いである津液(しんえき)を作って渇きを潤す「生津(せいしん)」という働きがあります。
[ スパイス ] ナツメグには消化器全般を芯から温めて、冷えからくる胃もたれ、消化不良、お腹の張り、下痢などを改善する効果が。大量摂取するとめまいや吐き気など副作用が出る場合もあるので、ごく少量にとどめましょう。


材料:作りやすい分量(4~5人分)
ズッキーニ … 1本
砂肝 … 200g程度
玉ねぎ … 1/2個分(薄くスライス)
レモン … 5~6枚(スライス)
唐辛子 … 1本
(半分に割ってタネを外しておく)
片栗粉 … 適量
米油またはサラダ油 … 適量
A
砂糖(きび砂糖を使用) … 大さじ2
酢(米酢または穀物酢) … 60ml
みりん … 大さじ2
醤油 … 大さじ2
塩 … 3つまみ程度
出汁 … 300ml
ナツメグ … 小さじ1

ポリ袋 … 2枚




作り方
  1. Aを小鍋に入れ、ひと煮立ちさせたら火を止める。
  2. 砂肝は半分に切り、銀色の部分を削ぎ落としてから切れ目を入れる。ズッキーニは5~6mmの厚さに切る。
  3. 2枚のポリ袋それぞれに片栗粉を入れ、1枚に砂肝をもう1枚にズッキーニをそれぞれ入れて振り、粉を全体になじませる。
  4. フライパンに1cm程度の油を入れ火にかける。乾いた菜箸の先を入れて細かい泡が出てきたら、ズッキーニ → 砂肝の順に揚げ焼きし、油を切っておく。
  5. 揚げ立ての4をホーロー容器などに並べ、玉ねぎ、レモン、唐辛子をのせたら1を回しかける。1時間ほど休ませてからいただく。

POINT

揚げたてアツアツのうちに
タレをまわしかけることで
味がよくなじみ、
玉ねぎの甘みも引き出される。

profile:

松島 由恵

料理家。 JSA認定ソムリエ、国際中医薬膳師。
建築業界で長年勤務した後、フランス料理店に勤務し、料理の世界へ。
スパイスを取り入れた“お酒に合う薬膳”に定評あり。
現在は広告、雑誌などへのレシピ制作をメインに活動。
著書に『エキゾチック薬膳(おいしくて楽しい。ごきげんな食養生』(家の光協会)、
『きのこのレシピ帖』(PARCO出版)、
『「いつものお弁当」がスパイスで大変身! スパイス弁当』(パルコ出版)。

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