シンプルで上質、心豊かな暮らしが人気を集めるエッセイストの広瀬さん。
自分の軸を持ち、凛とした佇まいが素敵ですが、
時には落ち込んだり生きづらさを感じることもあるのだそう。
「心が回復しやすいよう、住まいを整えておく」という広瀬さんに、
具体的にどのように自分の心を守っているのかを綴ってもらいました。
全6回の連載、4回目をお届けします。
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お香を焚くと心身が変化。
五感が開かれる
1日のなかで幾度となくお香を焚きます。習慣で火をつける時もあれば、思いついた時分に手に取ることもあります。その日によってお香を焚くタイミングは様々ですが、いつからか、お香はなくてはならないものになりました。
お香の効用のひとつに香りがあります。すきな香りに包まれると心身が変化します。「気持ちが晴れる」「意識がはっきりする」「呼吸が深くなる」など。お香だけではなく、精油にも同じ効果があるように、香りは五感を開いてくれます。

帰宅後、部屋に入る前に浄化
そして、もうひとつ。それが「浄化作用」です。
浅草浅草寺。本堂の前には、常香炉(じょうこうろ)と呼ばれる大きな香炉があります。「体のよくない部分に煙を浴びせるとよくなる」という言い伝えがありますが、本来は、邪気を祓い身を清めた後、お参りするためにあるものです。「香を焚く」という行為は、古から「浄化のため」と考えられているのです。
わたしが、お香を焚くタイミングのひとつに外出先から帰宅した際「部屋に入る前にお香を焚く」があります。玄関の扉を開け、お香に火を点け、ひと呼吸置いてから、リビングの扉をあけるようにしています。その後は、手を洗い、室内着に着替え、外で着ていた服をハンガーにかけます。それから、その服をお香の煙が漂う場所に移します。クローゼットにいれる前に、浄化し、芳しい香りを服に含ませるのです。

わたしも、服も、一度リセット。
お香を焚いて自分を守る
この習慣は、最初、それほど深く考えずにはじめました。けれど、回を重ねていくうちに「やった時」と「やらない時」では、何かがちがうように思うようになりました。お香の香りや煙に包まれると、わたしも、服も、1度リセットされるように感じます。
急いている時は、やり方を簡略化したり、順番を入れ替える場合もありますが、できるだけやるようにしています。感覚としては、除菌ができるスプレー式のものでシュッとひと吹きすることに近いかもしれません。 そう。わたしは、自分を守るためにお香を焚くのです。

具体的には「足を洗う→室内用ソックス(五本指タイプ)に履き替える」のです。
靴を履いていると、どうしても足も足先もぎゅっとなります。
そのぎゅっから、足を解放します。