現代人が抱える悩みや日々わいてくる心のもやもやに、
多くの人とその人生に向き合い、心を癒してきたあの人がアドバイス。
今回の回答者は、さりげない佇まいで見る人の心に残る役柄を演じてきた俳優・小林聡美さんです。
51歳の女性です。5年前に離婚しました。私は、みんなが普通にできているような結婚生活が続けられなかったという劣等感があります。心の傷もまだカサブタですが、最近、恋愛したいという気持ちが芽生えてきました。一方で、また失敗して傷ついたらもう立ち上がれないかもしれないという不安もあります。友人にマッチングアプリなどを勧められますが、なかなか踏み出せません。小林さんはまた恋愛したいと思いますか?
離婚したことは「失敗」ではなく「結果」
相談者さんは46歳ごろに離婚されたんですね。「みんなが普通にできているような結婚生活が続けられなかったという劣等感」とおっしゃるけれど、みんなができているから自分もできなきゃいけないということはないし、たまたまその方とは別れることになっただけであって……。なんだか私自身のこともかばっているみたいですが(笑)。
「一緒に頑張ろうね」と始めた結婚生活が、お互い傷ついて途中で終わってしまって、相手に対するごめんなさいという気持ちはあるのかな、と思います。けれども、お別れしたことは「失敗」ではなくて「結果」。2人の関係における結果であって、失敗ではないと思うんです。
その中でお互いに学ぶことがいっぱいあったはずだし、のちのち続いていく人生でその経験はきっと、自分を豊かにしてくれるんじゃないかと思います。
いつも味方でいてくれて共感してくれる仲間がほしい
相談者さんはまだ51歳。恋愛したい気持ちが芽生えたのなら踏み出してみたらって思います。でも実のところ50代って素敵な人になかなか出会えないですよね。いいなと思う人は既婚者だったりして、若いころと比べると出会いの確率はかなり低くなる感じがします。マッチングアプリ、いいんじゃないですか。私も登録したいくらい(笑)。
私は60歳になった今は、恋愛とか結婚より「共感してくれる仲間」がほしいです。いつも自分の味方でいてくれる人というのかな。そんな人が側にいたら、元気で長生きしたい、と思いますね(笑)。
「また傷ついたら……」という不安があっても、人を好きになる時は好きになってしまうものじゃないかと思います。そんな時、相手に対する執着が強すぎると、傷つくことも多いかもしれない。「自分は自分、相手は相手」くらいクールな部分も必要かもしれないですね。
だけど、始める前から心配して動けないのは時間がもったいないって思います。経験した分だけ自分が豊かになっていくはず。ぜひ一歩踏み出してみてはどうでしょう。